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自閉スペクトラム症(ASD)について

自閉スペクトラム症(ASD)は、コミュニケーションや社会的相互作用に困難を感じ、特定の興味や行動に強いこだわりを持つことが特徴の発達障害です。ASDは幅広い症状を持ち、個々の特性は大きく異なります。
  • Q

    自閉スペクトラム症のサインはどのように現れますか?

    A

    自閉スペクトラム症のサインは、他人とのコミュニケーションや社会的なやり取りが難しく感じることです。例えば、目を合わせない、話すタイミングや内容がずれてしまう、特定の話題や活動に強く執着するなどが挙げられます。また、環境の変化に対して強いストレスを感じることもあります。

  • Q

    自閉スペクトラム症を放置するとどんな影響がありますか?

    A

    自閉スペクトラム症を放置すると、学校や職場での適応が難しくなることがあります。コミュニケーションの困難さから、友人関係を築くのが難しく、孤立感を感じることがあります。また、ストレスや不安が強まり、精神的な健康に悪影響を及ぼすこともあります。

日常の中で現れやすいサイン
  • 目を合わせない。
  • 一人遊びが多い。
  • 会話が一方的になる。
  • 繰り返し同じ行動をする。
  • 環境の変化に敏感。
  • 特定の興味に強い執着を持つ。
  • 感覚に対して過敏または鈍感。
精神的な症状

強い不安感。
社交不安。
感情のコントロールが難しい。
ストレスに対する耐性が低い。
固執した考えや行動。
情緒の変動が激しい。
自己刺激行動(繰り返し行動)に頼る。

身体的な症状

繰り返し同じ動きをする(手を振る、回るなど)。
感覚過敏(音、光、触覚に対する過剰反応)。
食べ物の偏りが強い。
睡眠障害。
消化不良や便秘。
運動の協調性の問題。
体の一部を過度にいじる。

生活への影響

学校や職場での適応が難しくなる。
友人関係の構築が難しくなる。
日常生活の中でストレスを感じやすい。
家族や周囲とのコミュニケーションが難しくなる。

治療方法について概要

自閉スペクトラム症(ASD)の治療は、症状の改善と日常生活の質の向上を目指します。治療は個々のニーズに合わせたもので、主に行動療法、言語療法、作業療法が含まれます。行動療法では、適応的な行動を強化し、不適応な行動を減少させる方法を学びます。言語療法では、コミュニケーション能力を向上させるための訓練を行います。作業療法では、日常生活のスキルを習得し、独立した生活を支援します。また、家族療法や支援グループも重要な役割を果たします。家族療法では、家族がASDを理解し、適切にサポートするための知識とスキルを提供します。支援グループでは、同じ問題を抱える他の家族や個人と経験を共有し、助け合うことができます。薬物療法は、二次的な症状(不安、うつ、注意欠陥多動性障害など)の管理に使用されることがあります。

治療方法の具体例

1. 行動療法

行動療法は、ASDの治療において広く用いられる方法です。応用行動分析(ABA)という手法を用いて、望ましい行動を強化し、不適応な行動を減少させることを目指します。例えば、社会的なスキルを向上させるために、適切な挨拶や会話の仕方を学ぶ訓練を行います。具体的なステップを細かく設定し、成功した場合には報酬を与えることで、目標行動を強化します。また、問題行動に対しては、その原因を特定し、代替となる適応的な行動を教えることで、問題行動を減少させます。行動療法は、個別に設定されたプログラムを通じて、継続的に行われることが重要です。

2. 言語療法

言語療法は、ASDのある人がコミュニケーション能力を向上させるための治療法です。言語療法士は、個々のニーズに応じたプログラムを作成し、言語発達を促進するための訓練を行います。例えば、言葉を使ったコミュニケーションが難しい場合には、絵カードや手話を用いた代替コミュニケーション方法を教えます。また、適切な言語表現を学ぶために、会話の練習や発音の矯正を行います。言語療法は、コミュニケーションの困難さを軽減し、社会的な相互作用を向上させるために重要な役割を果たします。継続的なセッションを通じて、患者の言語能力を段階的に向上させることを目指します。

あなたご自身でできる対応の方法

規則正しい生活リズムを保つ。

・感覚過敏に対する対策を講じる(イヤーマフ、サングラスなど)。
・自己管理スキルを習得する(タイムマネジメント、ストレス管理)。
・コミュニケーションツールを利用する(絵カード、アプリなど)。
・適度な運動を日常生活に取り入れる。サポートグループに参加する。
・友人や家族のサポートを受ける。

当院のおすすめのプログラム

よくある質問

  • Q

    ASDはどのくらいの頻度で診断されますか?

    A

    ASDの診断は、子供の発達段階で早期に行われることが多いです。発症頻度は約59人に1人程度で、近年では早期発見と介入の重要性が強調されています。

  • Q

    ASDの治療にはどのくらいの時間がかかりますか?

    A

    ASDの治療は継続的なものであり、個人のニーズに応じて異なります。数ヶ月から数年にわたり、行動療法や言語療法、作業療法などが行われます。

  • Q

    ASDの治療には薬が必要ですか?

    A

    ASDの治療には、主に行動療法や言語療法が用いられますが、二次的な症状(不安、うつなど)の管理には薬物療法が使用されることがあります。薬の使用は医師の指導のもとで行われます。

  • Q

    ASDの人はどのような仕事に就くことができますか?

    A

    ASDの人は、適切なサポートを受けることで多様な職業に就くことが可能です。個々の興味や強みを活かした仕事に従事することで、満足度の高いキャリアを築くことができます。

  • Q

    ASDの人は友達を作るのが難しいですか?

    A

    ASDの人は、コミュニケーションや社会的相互作用に困難を感じることが多いため、友達を作るのが難しいことがあります。しかし、適切なサポートと訓練を受けることで、社会的なスキルを向上させ、友人関係を築くことができます。

  • Q

    ASDの診断はどのように行われますか?

    A

    ASDの診断は、医師や心理士が行う発達評価や観察、保護者や教師からの情報を基に行われます。標準化された評価ツールが使用されることが一般的です。

  • Q

    ASDの人は特定の興味を持つことが多いのはなぜですか?

    A

    ASDの人は、特定の興味や活動に強いこだわりを持つことが多く、その興味を追求することで安心感や満足感を得ることがあります。この特性は、適応的に活かすことで強みとなることがあります。

  • Q

    ASDの人は感覚過敏を持つことが多いのはなぜですか?

    A

    ASDの人は、感覚過敏(音、光、触覚など)を持つことが多く、環境からの刺激に対して過敏に反応することがあります。これに対する対策を講じることが重要です。

  • Q

    ASDの人は集団生活に適応できますか?

    A

    ASDの人は、適切なサポートと訓練を受けることで、集団生活に適応することが可能です。社会スキルトレーニングが有効です。

  • Q

    ASDの人は独立して生活できますか?

    A

    ASDの人は、適切なサポートを受けることで独立した生活を送ることが可能です。個別のニーズに応じた支援計画が重要です。

  • Q

    ASDの人は特定の食べ物を避けることが多いのはなぜですか?

    A

    ASDの人は、感覚過敏や食感の好みから特定の食べ物を避けることが多いです。バランスの取れた食事を確保するために工夫が必要です。

  • Q

    ASDの人はストレスを感じやすいのはなぜですか?

    A

    ASDの人は、環境の変化や社会的な状況に対してストレスを感じやすいことがあります。ストレス管理のスキルを身につけることが重要です。

  • Q

    ASDの人はどのようにストレスを管理すれば良いですか?

    A

    ASDの人は、リラクゼーション技術や適度な運動、規則正しい生活リズムを取り入れることが効果的です。また、サポートグループやカウンセリングも有効です。

  • Q

    ASDの治療にはどのような専門家が関与しますか?

    A

    ASDの治療には、医師、心理士、作業療法士、などが関与します。多職種のチームが連携してサポートを提供します。

  • Q

    ASDの人は運動が苦手なことが多いのはなぜですか?

    A

    ASDの人は、運動の協調性に問題を抱えることが多く、運動が苦手と感じることがあります。適切な運動プログラムを通じて運動能力を向上させることができます。

  • Q

    ASDの治療において、どのくらいの頻度で専門家のサポートを受ける必要がありますか?

    A

    ASDの治療においては、定期的な専門家のサポートが重要です。治療の初期段階では週に1回程度の頻度でサポートを受けることが一般的です。症状が安定してきたら、サポートの頻度を減らすことができます。

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