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ネット依存(ゲーム障害、スマホ依存症)について
「ゲーム障害」は、2022年から世界保健機関(WHO)によって「国際疾病分類(ICD-11)」に加えられた病名で、ゲームへの依存症を表しています。この疾病分類の重要な特徴は、ゲームプレイに対する自己制御の欠如、ゲームに優先的に時間を割く傾向、そして問題が起きてもゲームを止められない、さらには更なるゲーム時間を確保しようとする行動パターンが存在します。さらに、ゲームプレイが個人の生活、家族関係、社会的関わり合い、学業、職業などの重要な生活領域に大きな影響を及ぼしている場合も、この診断の一部とされます。これらの症状が12ヵ月以上続いている場合、「ゲーム障害」と診断されます。ただし、すべての症状が出ていて、かつその状況が重篤な場合は、より短い期間でも診断が可能とされています。
なぜゲーム・ネットに依存してしまうのか?
ゲーム障害が発症する要因は複数あり、それらはゲーム内で、ゲームプレイヤーはゲーム内で得られるアイテムや経験値、レベルアップなどの報酬を非常に価値あるものと感じ、またゲームに既に投じた時間や資源を理由にゲームを続けることが求められることがあります。さらに、ゲーム内で得られる成功体験や、ゲームコミュニティに属することでの自己価値感や安心感が、現実世界での困難や苦労を緩和し、依存状態を強化することがあります。
これらの要因が絡み合い、「ゲーム障害」に陥る背景には、しばしば現実世界での苦労や困難が存在します。これらには、学業の困難、人間関係のトラブル、いじめ、転校や家庭環境の変化など、多様なライフイベントが含まれます。
ゲーム・ネット依存の治療とは?
ゲーム障害の回復に向けた取り組みは、単にゲームを「する」、「しない」という行為そのものに焦点を当てるだけでは不十分であり、ゲーム依存症の背景にある苦労や困難に取り組むことが求められます。これらの問題解決には、本人だけでなく、保護者も問題解決に積極的に関与することが大切です。
特に思春期のゲーム障害の場合、本人が自覚して病院に来るケースはまれです。大抵は保護者が病院と連携し、専門スタッフと協力して問題を解決することになります。周囲が本人の問題を理解していくことで、本人との関係が見直されて、本人との問題解決に向けた対話が始まります。
ゲーム・ネットの治療プログラム
※ゲーム・ネットのご相談ご希望の方は、まずはこちらのセミナーを受講してください。
ゲームやインターネットへの依存が心配なご家族へ、当院ではご家族に対するゲームネット依存に関するセミナーを行っています。このセミナーは、お子様が依存状態に陥った背景を理解し、どのように向き合っていくべきか学ぶための場です。
セミナーでは、お子様の心の内を理解し、ご家族が一緒に解決策を見つけられるよう、コミュニケーションの方法や、家庭での関わり方を探求します。
また、医療への受診が必要かどうか、発達障害や暴言・暴力、不眠、摂食障害など、医療的な支援が必要と思われる方に対しても、診療に向けたアプローチを検討していきます。