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双極性障害について

双極性障害(かつては躁うつ病と呼ばれていました)は、気分が極端に上がったり下がったりする病気です。具体的には、気分が非常に高揚している「躁状態」と、気分が非常に落ち込んでいる「うつ状態」を繰り返します。この変動は日常生活や仕事に大きな影響を与えます。
  • Q

    双極性障害のサインはどのように現れますか?

    A

    双極性障害のサインは、気分が非常に高揚している時期(躁状態)と、気分が非常に落ち込んでいる時期(うつ状態)が交互に現れます。躁状態では、非常にエネルギッシュで自信満々になる一方、うつ状態では、極端に気分が落ち込み、やる気が出ないといった形で現れます。

  • Q

    双極性障害を放置するとどんな影響がありますか?

    A

    双極性障害を放置すると、日常生活や仕事、人間関係に深刻な影響が出ます。例えば、仕事のパフォーマンスが大きく低下し、家族や友人との関係にも問題が生じます。さらに、極端な気分変動は健康にも悪影響を及ぼし、最悪の場合、自殺念慮が生じることもあります。

日常の中で現れやすいサイン
  • 気分が非常に高揚する時期と落ち込む時期が交互に現れる。
  • 躁状態では、エネルギッシュで眠らなくても元気。
  • 躁状態では、考えが飛躍し、次々とアイデアが浮かぶ。
  • うつ状態では、何もやる気が起きない。
  • うつ状態では、食欲がなくなるか、逆に過食になる。
  • 突然、極端な浪費や無謀な行動をとることがある。
  • 睡眠パターンが不規則になる。
精神的な症状

気分の高揚または極端な落ち込み。
極端な自信または自己嫌悪。
アイデアが次々と湧き出る(躁状態)。
思考が遅くなる(うつ状態)。
集中力の低下。
短気になる、または無気力になる。
幻覚や妄想が現れることがある。

身体的な症状

睡眠不足または過眠。
異常な食欲(増加または減少)。
エネルギーの過剰または極端な疲労。
言葉数が多くなる、または少なくなる。
体重の増減。
身体の緊張やこわばり。
慢性的な痛みや不快感。

生活への影響

仕事や学業のパフォーマンスが低下する。
人間関係に摩擦が生じやすくなる。
日常の活動に支障をきたす。
健康全般に悪影響を及ぼす。

治療方法について概要

双極性障害の治療は、まず診断を確定し、その後適切な治療法を選択することが重要です。治療法は大きく分けて薬物療法と非薬物療法があります。薬物療法では、気分安定薬や抗精神病薬の使用が一般的です。非薬物療法には、認知行動療法(CBT)や対人関係療法が含まれます。 双極性障害は躁/鬱の再発を繰り返す病気です。治療の一番のポイントは再発予防です。躁状態/鬱状態が沈静化して治療/服薬をやめてしまうと、いずれは再発します。躁でもない、鬱でもない時期こそ治療的には大事で、この時期に気分安定約の服用を継続させることで再発を防ぐことが出来ます。

薬物療法では、気分の変動を安定させるための薬が使用されます。例えば、リチウムやバルプロ酸などの気分安定薬は、躁状態やうつ状態を予防するために効果があります。また、抗精神病薬は、急性の躁状態やうつ状態をコントロールするために用いられます。これらの薬物は、医師の指導のもとで安全に使用することが重要です。

非薬物療法では、心理療法を通じて症状の管理を行います。認知行動療法(CBT)は、ネガティブな思考パターンを修正し、適応的な行動を学ぶことで、気分の安定を図ります。対人関係療法(IPT)は、人間関係の問題や役割の変化が気分に与える影響を理解し、これらの問題を解決するためのスキルを学びます。

治療方法の具体例

1. 薬物療法

薬物療法は、双極性障害の治療において中心的な役割を果たします。気分安定薬としては、リチウムやバルプロ酸が一般的に使用されます。リチウムは、躁状態やうつ状態を予防するために効果的で、長期的な使用が推奨されます。ただし、リチウムの血中濃度を定期的にモニタリングする必要があり、副作用にも注意が必要です。バルプロ酸は、特に急性の躁状態に効果があり、迅速に症状を安定させるために使用されます。抗精神病薬としては、オランザピンやリスペリドンが使用されることがあり、これらは急性の躁状態や精神病症状の管理に役立ちます。薬物療法は、医師の指導のもとで適切に使用することが重要であり、自己判断での中断や変更は避けるべきです。

2.認知行動療法(CBT)

認知行動療法(CBT)は、双極性障害の非薬物療法として効果的です。CBTでは、患者が持つネガティブな思考パターンや行動を特定し、それを修正するためのスキルを学びます。具体的には、躁状態やうつ状態の引き金となる状況や思考を記録し、それに対する適応的な反応を身につけます。例えば、躁状態では、過度な自信やリスクを伴う行動を抑えるための戦略を学びます。うつ状態では、自己批判的な思考を現実的な視点に置き換える方法を練習します。CBTは、定期的なセラピストとのセッションを通じて行われ、患者が自己管理のスキルを習得するためのサポートを提供します。

あなたご自身でできる対応の方法

・規則正しい生活リズムを保つ。
・睡眠を十分にとる。
・ストレスを管理する方法を学ぶ。
・適度な運動を取り入れる。

・アルコールや薬物を避ける。
・定期的に医師と相談する。
・家族や友人のサポートを受ける。

よくある質問

  • Q

    双極性障害は治りますか?

    A

    双極性障害は完全に治ることは難しいですが、適切な治療を受けることで症状を管理し、安定した生活を送ることができます。治療には時間がかかることもありますが、専門医の指導のもとで治療を続けることが重要です。

  • Q

    双極性障害の治療にはどれくらいの期間がかかりますか?

    A

    双極性障害の治療期間は個人差がありますが、長期的な治療が必要です。症状が安定するまでには数ヶ月から数年かかることがありますが、適切な治療を受けることで、症状を管理しやすくなります。

  • Q

    双極性障害の治療にはどのような薬が使われますか?

    A

    双極性障害の治療には、気分安定薬(リチウム、バルプロ酸など)や抗精神病薬(オランザピン、リスペリドンなど)が使われます。これらの薬は、気分の変動を安定させ、症状を管理するために効果的です。

  • Q

    双極性障害の薬物療法には副作用がありますか?

    A

    双極性障害の薬物療法には副作用があることがあります。例えば、リチウムは体重増加、手の震え、腎機能の低下などの副作用があります。 また、リチウムには催奇性があるため、妊娠の可能性がある女性には使用を避けるべきです。定期的な血液検査や医師の指導のもとで副作用を管理することが重要です。

  • Q

    双極性障害に効く自然療法はありますか?

    A

    双極性障害に対する自然療法としては、リラクゼーション技術や適度な運動、バランスの取れた食事などがあります。これらの方法は、症状の管理に役立つことがありますが、医師の治療を併用することが重要です。

  • Q

    双極性障害の治療を受けている間に妊娠した場合はどうすれば良いですか?

    A

    双極性障害の治療を受けている間に妊娠した場合は、すぐに医師に相談することが重要です。一部の薬は妊娠中の使用にリスクがあるため、医師と相談して安全な治療方法を選択する必要があります。

  • Q

    双極性障害の人は運転しても良いですか?

    A

    双極性障害の症状が安定している場合は運転しても良いですが、症状が不安定な場合は運転を控えるべきです。特に躁状態や重度のうつ状態のときは、運転が危険になる可能性があります。医師と相談して判断しましょう。

  • Q

    双極性障害の治療において、どのくらいの頻度で医師の診察を受ける必要がありますか?

    A

    双極性障害の治療においては、初期の段階では週に1回程度の頻度で診察を受けることが一般的です。症状が安定してきたら、診察の頻度は月に1回程度に減らすことができます。医師と相談しながら、適切な診察のスケジュールを決めることが大切です。

  • Q

    双極性障害の人はアルコールを控えるべきですか?

    A

    双極性障害の人はアルコールを控えるべきです。アルコールは症状を悪化させることがあり、薬の効果を妨げる可能性があります。特に過度の飲酒は避けるようにしましょう。

  • Q

    双極性障害の人はどのようにストレスを管理すれば良いですか?

    A

    双極性障害の人は、ストレスを管理するためにリラクゼーション技術や適度な運動を取り入れることが効果的です。また、規則正しい生活リズムを保つことや、友人や家族のサポートを受けることも重要です。

  • Q

    双極性障害の治療にはカウンセリングが効果的ですか?

    A

    カウンセリングは双極性障害の治療において非常に効果的です。認知行動療法(CBT)や対人関係療法(IPT)は、症状の管理に役立ちます。カウンセリングを受けることで、ストレスの管理や人間関係の改善に役立ちます。

  • Q

    双極性障害の症状がある場合、医師にどのように相談すれば良いですか?

    A

    双極性障害の症状がある場合、医師には具体的な症状や生活への影響を詳細に伝えることが大切です。例えば、気分の変動、睡眠パターンの変化、食欲の変化などを具体的に説明しましょう。

  • Q

    双極性障害は再発することがありますか?

    A

    双極性障害は再発することがあります。適切な治療を続けることで再発のリスクを減らすことができますが、ストレスや生活の変化などが引き金となることがあります。再発を防ぐためには、継続的な定期的な診察 服薬と自己管理が重要です。

  • Q

    双極性障害の人はどのようにして仕事を続ければ良いですか?

    A

    双極性障害の人が仕事を続けるためには、職場の理解とサポートが重要です。適切な治療を受け、規則正しい生活リズムを保つことが大切です。また、ストレスの管理や休息を取ることも重要です。

  • Q

    双極性障害の予防方法はありますか?

    A

    双極性障害の予防の第一は安定期における気分安定薬の継続的服用です。加えて日常生活においては規則正しく生活リズムを保つ、ストレスを管理する方法を学ぶ、リラクゼーションを取り入れるなどが効果的です。また、早期に症状を察知し、適切な治療を受けることも重要です。

  • Q

    双極性障害の人はどのようにして友人や家族にサポートを求めれば良いですか?

    A

    双極性障害の人は、友人や家族に症状や治療について話し、理解とサポートを求めることが大切です。治療に関する情報を共有し、感情や気持ちを正直に話すことで、サポートを得やすくなります。

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