ゲーム・ネット依存について
ネット依存症は、ゲーム依存症やスマホ依存症など、さまざまな形で表れます。ネットに依存すると現実世界と仮想世界の区別がつかなくなり、ネットを取り上げると暴力的に抵抗することもあります。特に思春期には親への反発が強く、友達とのつながりを強く求めるため、LINEの返信や既読に対する強迫観念が生じ、スマホを手放せない生活に陥りやすいです。
ネット・ゲーム障害(Internet Gaming Disorder, IGD)
ネット・ゲーム障害とは、次のような特徴を持つ状態です。
1. ゲームに関する行動がコントロールできない
2. ゲーム優先の生活となり、他の楽しみや日常の責任を果たせない
3. ゲームにより個人、家族、社会、教育、職業などに重大な問題が生じてもゲームをやめられない
これが12ヶ月以上続く場合、ネット・ゲーム障害と診断されます。WHOは2019年5月に「ゲーム障害」を新たな依存症として認定しました。
ネット依存の原因
ネット依存にはさまざまな原因がありますが、一般的には以下のような要因が考えられます。
1. 心理的要因:ストレス、不安、うつ状態などから逃避するためにネットやゲームに依存することがあります。
2. 社会的要因:人間関係の問題や孤独感を埋めるためにネット上のコミュニケーションを優先することがあります。
3. 環境的要因:ネットやゲームが身近にあり、アクセスしやすい環境が依存を助長します。
4. 遺伝的・生物学的要因:脳の報酬系の働きが強く影響しやすい人は、依存しやすい傾向があります。
ネット依存の脳のメカニズム
依存症は、特定の行動をやめられない病気です。ネット依存の場合、ドーパミンという快楽物質が分泌され、ネットやゲームを続けるほど快楽を感じやすくなります。しかし、ドーパミンは有限で、枯渇すると快楽を得られなくなり、さらにネットやゲームに依存する悪循環に陥ります。このため、「やめたいのにやめられない」という状態になります。
他の精神疾患との関連
ネット依存は、他の精神疾患と併発することが多いです。
例えば
• 発達障害:ADHDではゲームをやめられず、ASDではネット上の仲間に居場所を求めることがあります。
• 睡眠障害:スマホを使うことで睡眠リズムが乱れ、さらに眠れなくなる悪循環に陥ります。
• 社交不安障害:人前に出ることが苦手で、ネットやゲームに逃げることが多いです。
これらの併発する精神疾患の治療も並行して行うことが、ネット依存の改善に役立ちます。どちらかが改善されることで、もう一方も改善されることがあります。
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