処方薬・市販薬依存について
処方薬・市販薬依存について
処方薬や市販薬の乱用と依存の兆候
処方薬や市販薬を以下のように使用していませんか?
•定められた量や回数以上に薬を使用する。
•薬本来の効能とは異なる効果を期待して使用する(例:やる気を出す、頭をすっきりさせる、不安や緊張を和らげる、嫌な気分を忘れるために鎮痛剤や風邪薬、咳止め、睡眠導入剤を使用する)。
•主治医に内緒で、複数の医療機関や薬局、インターネットで同じような薬を集める。
•薬を手に入れるために多くの時間や金銭を費やし、家庭生活や社会生活に支障が出ている。
•薬をやめようとすると、意欲低下、強い倦怠感、焦燥感、抑うつ気分、希死念慮などがひどくなり、やめられない。
薬への依存とは?
医療機関で処方された薬(睡眠薬、抗不安薬、鎮痛剤など)や、市販薬(風邪薬、咳止め、鎮痛剤など)を医師の指示や決まりを守らず、以下のように使用することを「乱用」といいます。
•定められた量や回数以上に服用する。
•主治医に隠して複数の医療機関を同時期に受診し、薬を集める。
•本来の効能とは異なる効果を期待して使用する。
このように、定められた目的や使用方法以外で薬を使い続けることで、やめたくてもやめられなくなる状態を「依存」といいます。
依存の状態になると
依存の状態になると、次第に同じ量では薬の効果が感じられなくなり、使用量が増えていきます(耐性)。また、薬をやめたり減らしたりすると、以下のような離脱症状(禁断症状)が現れます。
•発汗
•動悸
•手の震え
•倦怠感
•焦燥感
•けいれん発作
•倦怠感
•焦燥感
•けいれん発作
薬を使うことで一時的に気分が楽になることがありますが、乱用を繰り返すことで次第に期待する効果が得られなくなり、心身に不調をきたすことがあります。また、自分や家族の生活にも深刻な影響を与えることがあります。
ベンゾジアゼピン系の薬の安全性について
抗不安薬や主に処方されている睡眠薬は、「ベンゾジアゼピン系」の薬です。これらは気持ちを鎮める効果と眠くなる効果があります。かつて睡眠薬の主流だった「バルビツール酸系」は、量を増やさないと効かなくなる(耐性形成)という問題がありましたが、ベンゾジアゼピン系は耐性が生じにくいとされ、安全な薬として広まりました。 しかし、1980年代から欧米では、ベンゾジアゼピン系薬剤の長期投与に注意が喚起されるようになりました。長期に服用すると「身体依存」が形成されるため、ベンゾジアゼピン系薬剤の長期使用は避けるべきとされています。日本ではまだこの考え方が普及していないことが多く、漫然と処方が続けられるケースもあります。
常用量依存とは?
決められた用量を守って服用していたのに、薬を減薬・断薬した際に「服用前にはなかった症状」が出る場合、それは「離脱症状」と考えられます。 これが「常用量依存」の状態です。ベンゾジアゼピン系の薬剤の離脱症状は非常に強く、アルコールの離脱症状に匹敵することもあります。報告されている離脱症状には、不安、焦燥感、気分の落ち込み、頭痛、発汗、手足のしびれ、震え、知覚異常、けいれん発作、動悸、吐き気、下痢、便秘などがあります。
乱用・依存について
常用量依存以外の、いわゆる「処方薬の乱用・依存」は、複数の医療機関を受診して多量の薬を服用したり、ためこんだ薬を一度にまとめ飲みすることを指します。処方薬依存の患者は増加傾向にあり、乱用される薬の多くはベンゾジアゼピン系です。特に作用時間が短い薬ほど依存のリスクが高く、減薬や断薬には慎重な対応が求められます。
処方薬の「酩酊下」で起きる問題
処方薬による「酩酊」は周囲からも本人からも自覚しにくいですが、過食症患者の中には、処方薬の乱用によって万引きを行うケースも報告されています。酩酊下での運転や急性中毒による事故、慢性的な乱用による対人関係の問題など、数多くの問題が生じる可能性があります。