診療科目

買い物依存について

買い物依存症とは?

買い物依存症は、衝動的な買い物行動が制御できなくなる状態を指します。買い物をすることで一時的に気分が高揚し、嫌なことを忘れることができるため、次第に買い物自体が目的となり、欲しい物を買うことが目的ではなくなります。これにより、借金を繰り返し、自己破産に至るケースもあります。買い物後には罪悪感にさいなまれ、自己嫌悪に陥ることが多いです。

買い物依存症の特徴

•衝動的な買い物:買い物の欲求が抑えられず、計画性のない買い物を繰り返す。
•借金の増加:買い物のために借金を繰り返し、経済的に困窮する。
•罪悪感と自己嫌悪:買い物後に罪悪感を感じ、自己嫌悪に陥る。
•抑うつ状態との関連:気分を上げるために買い物をするケースが多く、抑うつ状態を伴うことがある。

ICD-11の診断基準
ICD-11によると、買い物依存症は正式な診断名ではありませんが、依存症としての基準を満たす場合があります。以下のような特徴が12ヶ月以上続く場合、依存症として診断される可能性があります。
1.コントロール不能:買い物行動を自分でコントロールできない。
2.優先順位の変化:買い物が他の重要な活動よりも優先される。
3.継続的な問題:買い物が個人、家族、社会、教育、職業などの重要な機能に重大な問題を引き起こしているにもかかわらず、買い物行動を続ける。

買い物依存症の原因

買い物依存症の原因はさまざまですが、以下のような要因が考えられます。
•ストレス:日常生活のストレスから逃れるために買い物に依存する。
•虚栄心:他人からの評価や賞賛を求め、高価なものを買うことで自己価値を感じる。
•自信の欠如:自分に自信が持てないため、買い物を通じて孤独や虚しさを埋めようとする。
•簡単な支払い手段:クレジットカードやスマホ決済の普及により、お金を使う感覚が希薄になり、買い物が増える。
•ネットショッピングの普及:ネットショッピングの利便性により、簡単に買い物ができる環境が依存を助長する。

買い物依存症のメカニズム

買い物依存症は、脳内のドーパミンという神経伝達物質が関与しています。ドーパミンは快楽物質であり、買い物をすることで分泌され、快楽や喜びを感じます。しかし、ドーパミンの分泌が過剰になると、次第にその効果が薄れ、さらに多くの買い物を必要とする悪循環に陥ります。このような状態が続くと、買い物をやめたくてもやめられなくなり、依存症が形成されます。

買い物依存症の症状

•過度な購入:必要以上に多くの物を買う。
•コントロールの喪失:買い物をやめられない。
•経済的問題:借金が増え、経済的に困窮する。
•人間関係の悪化:買い物に時間とお金を費やすことで、家族や友人との関係が悪化する。
•精神的問題:買い物後に罪悪感や自己嫌悪を感じる。

回復のために

医師に相談する

自己判断での買い物のコントロールは難しいため、まずは医師に相談し、治療方針を話し合いましょう。

相談機関や自助グループの利用

つらい気持ちや困っていることを信頼できる人に話したり、相談機関や自助グループに参加することで、回復の助けになります。

買い物欲求への対処法

買い物をしたくなった時には、代わりに楽しい活動をするなど、気持ちをそらす工夫をしてみましょう。自助グループのメンバーの工夫を参考にするのも有効です。

自分でできる工夫

•どんな時に買い物をしたくなるのか観察する。
•買い物をしたかったけれどしなかった時に何があったかを振り返る。
•代わりの行動を試してみる(例:別のことを考える、水を飲む、好きな音楽を聴く、ゆっくり腹式呼吸をする、誰かと話す)。

家族や周囲の人にできること

•相談機関に相談する。
•買い物依存について理解を深める。
•本人とのコミュニケーションを工夫する。
•家族自身の健康や生活を大切にする。

買い物依存症は深刻な問題ですが、適切な支援と工夫で回復への道を歩むことができます。専門家の助けを借りて、問題解決に取り組みましょう。

依存症女性プログラムSeRA
心身の不調を感じたら、ひとりで悩まずに、どうぞお気軽にご相談ください。どんな些細なことでも構いません。
「こんなことを相談してもいいのかな?」と思ったときこそ、ご連絡をお待ちしています。
  • お電話でのご予約

    tel:048-831-0012          ※受付/9:20 ~12:30 13:30~18:00
    (月曜日と火曜日と木曜日~20:00)
  • WEBでのご予約

診療時間
9:30 - 12:30
13:30 - 18:00
18:30 - 20:00

※ Web予約で空きがない場合でも、当日に空きが出る可能性がございますので、どうぞお電話にてお問い合わせください。