一、山復帰と職場復帰
一、山復帰と職場復帰
一 山復帰と職場復帰
ひと月さきの夏休みはどこの山に入ろうか、机上で検討していた。
第一候補は寸又から入って光岳に至り、茶臼・兎・聖・赤石・荒川岳を越えて三伏峠に、それから伊那谷に下山するか、日時と体力が許せば塩見・北岳に進むコースであった。かつて二軒小屋からはいり千枚岳・悪沢岳・赤石・聖をまわって椹島に降りたことがあったが、それらより南に位置する南アルプスの山々は交通の不便さから、私にとっては未踏の山々である。
第一候補の山に入る夢は砕かれそうである。
久しぶりにランニングしてわかった。夕方、気温29度、ストレッチしてから1キロあるいて2キロ走ったが、そこで止めた。
無理はしない。体力は確実に落ちていた。単独行であのコースを踏破できるだろうか。食料もビバーク用具も必要だ。あと一ヶ月のトレーニングにかかっているが。もしだめなら歩きなれかつ山小屋の多い北アルプスの山にしようか。
うつ病からの職場復帰でも、山復帰に似たところがあるのだろう。十分に休んだ、気力・体力は回復していると信じて復帰してみたところ、数ヶ月も経たないで疲労困憊しウツを再発させて再休職になる。
対策で共通しているのは鍛えることと己の体力気力を知ること、そして現実をうけいれて実現可能な選択肢をえらぶことか。
「二、躁と鬱」はこちら
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