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医療法人秀山会 
白峰クリニック
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漢方

 

漢方エピソード

漢方エピソード
 
漢方エピソード 「温経湯」
  原因がハッキリしているうつ病には漢方が著効を示すことがあります。A子さん(38)がその一人でした。以下の物語は個人が特定されないようにモディファイして書かれています。

 A子さんは10年前、28歳で結婚しました。本人も夫も妊娠を望んでいました。そして本人たち以上に、双方の親族もA子さんの妊娠・出産を望みました。妊娠期待プレッシャーには相当なものがあったようです。

 しかし、一向に妊娠しませんでした。結婚して5年が経過し33歳になりました。夫婦で相談し妊活を開始しました。妊活には辛抱とお金が必要です。A子さんは苦痛に耐えて婦人科に通いつづけました。今度こそ、今度こそ、と施術をうけ、期待します。不安と期待の日々がつづきます。やがて落胆の結果が知らされます。その繰り返しでした。そのつどA子さんは一人で泣きました。

 何度も行っても妊娠には至りませんでした。やがてA子さんは心身ともに消耗し絶望していきます。自責感・無力感・自己無価値感・抑うつ気分・意欲低下・睡眠障害などが出現してきました。

 白峰クリニックを初診したときはすでにうつ病になっていました。初回面接で治療方針を決めました。治療は、漢方とカウンセリングを中心として、少しの抗うつ薬と睡眠薬も用いる、としました。それは、妊娠しない自分に対する自責感・無力感・自己無価値感がうつ状態をベースに存在し、疲労困憊状態でありましたので、いきなり抗うつ薬を主剤としてガンガン治療するよりも、まずは心身を休養させ、心身のバランスと体力を回復させることを優先する方が理にかなっていると判断したからです。そして秘かに、健康を取り戻せば、もしかしたら妊娠するかもしれないと期待しました。

 

 さて、漢方では「証」を観てから「方剤」(処方)を決めます。「証」というのは、体質的なものと症状的なものとを合わせて、その人がその時点で現している体の状態をいいます。「証」を決めるにはいくつかの視点があります。

 

「表裏」では、「表証」とは病気がまだ浅く、体表部に症状がある状態であり、「裏証」とは病気がそれよりも深く、体の内部に症状がある状態を指します。

 

「寒熱」では、「寒証」とはからだや病気が萎縮的・衰退的な状態であり、「熱証」とはからだや病気が昂進的・炎症的な状態を指します。

 

「虚実」では、「虚証」とは体力が虚弱で病気に対する抵抗力の弱い状態であり、「実証」とは体力が充実し病気と力強く戦っている状態を指します。

 

「燥湿」では、「燥証」とは体に水分が不足している状態、例えば皮膚はカサカサ乾き、あるいは多尿や多汗など水分の排泄過剰状態などがこれにあたり、

 

「湿証」とは体に水分が過剰に存在する状態、例えば浮腫・腹水など水分の局所的停滞や乏尿など水分の排泄過小状態がこれにあたります。

 

 漢方では「気血水」の診断も重要です。気・血・水が過不足なく、滞りなくからだをめぐっているかを診断することも処方を選定する上で重要な情報になります。「気」が滞れば憂うつになります。「血」は「血」が不足する場合と滞る場合があります。不足するのが「血虚」(貧血)です。血液のめぐりが滞るのを「瘀血」(おけつ)と呼びます。「瘀血」はふつう女性の性機能障害によって発生するものと考えられ、月経停止や生理不順などがある場合には「瘀血」の存在を想定します。瘀血の人は紫がかった紅色の顔をしていることがあります。

 

 A子さんの証は次のようでした。

「表裏」では、体表部に病はとどまっておらず、すでに不妊・うつ病状態ですので「裏証」と観ました。「寒熱」「虚実」では数年の闘病生活の末にあり心身ともに疲れ果て元気がありませんので「寒証」・「虚症」と観ました。「燥湿」では、唇や皮膚は乾きがちで、むくみ傾向は見当たりませんでしたので「燥証」と観ました。

 気血水では、A子さんの「気」は鬱々として沈んでいましたので「気うつ」と観ました。

「血」では、A子さんの顔色はどす黒くみえました。それは「瘀血」の人の紫がかった紅色の顔色とは異なりましたので「血虚」ありと観ました。

 以上の、A子さんの「証」をまとめると、「裏」「寒」「虚」「燥」で「血虚」となります。

 方剤の選択は、これらの証が示す状態を正しからだのバランスをとるものとして、温経湯を選びました。温経湯の方剤構成は、当帰・川芎・芍薬・人参・麦門冬・半夏・桂枝・生姜・呉茱萸・甘草・牡丹皮・阿膠の12昧です。このうち、当帰・川芎・芍薬は四物湯から熟地黄を除いたもので「温性」(あたためる)、「補性」(不足を補う)、「潤性」(燥を潤す)の性質を有しています。これらに更に補性・潤性のつよい人参と麦門冬、温性のつよい呉茱萸・桂枝・生姜がくわえられています。牡丹皮・阿膠は血液のめぐりをたかめ血液循環障害を治します。

 クスリやカウンセリングでA子さんは少しずつ健康をとりもどし、やがて妊娠しました。妊娠が判明するや鬱状態はさらに改善し治療は間もなく終了しました。診療に役立つ引出はいろいろありましょうが、漢方の引出のなかにも幸運を見つけることがあるものです。 

 

漢方治療を望む方へ

漢方治療を望む方へ
 
漢方治療を望むかたへ
 

 漢方には三千年の歴史があります。想像するに、漢方歴史のなかで、星の数ほどの処方が考案され、人々に投薬され、効果の劣るものや副作用の強いものは廃れ、優良なものだけが生き残り、用いられ続けました。今日、薬価基準に収載されている漢方エキス剤は約140ありますが、これらは漢方の長い歴史を生き抜いたエリート中のエリート剤と言わざるをえません。

 

  漢方診療の特徴は、第一に心身一如、心と体とは一体のものであるという考え方が貫かれていることです。第二にバランスをとることを重視する、つまり不自然な偏りやねじれを元にもどそうとする姿勢です。第三に自然治癒力、内在する自然治癒力を妨げているものをへらし、自然治癒力を高めることで病変に対処しようとすることです。

 

 これらと通底することなのですが、私たちが病気を治そうとするとき、食事や養生を重視します。「早起き・散歩・納豆」を用います。食養生は健康を保持するためにも重要です。大豆にはセロトニンの原料となるトリプトファンが豊富に含まれています。鉄分やミネラルの不足でうつ病が治りにくい場合はそれらを補います。生活養生でいえば早起き・散歩・有酸素運動を重視します。

 

 心の不調は寝ていれば良くなるものではありません。寝過ぎるとネジが緩んでしまいます。生活リズムを整え心身のバランスをとり漢方を援用するのが効果的です。

 

 白峰クリニックでは貴方の症状や不調を詳しくうかがい、あなたの「証」(症状や所見を評価して得られた診断。心身が正常からどのようにズレているかを示すもの)にあわせて漢方処方を作成します。

 

※漢方治療を希望される方は、初診予約のお電話の際、その旨お知らせください。

 

 

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